日銀、「中銀デジタル通貨」の連絡会議の中間整理を報告

中間整理を報告

日本銀行が、「CBDC(中央銀行デジタル通貨)に関する関係府省庁・日本銀行連絡会議 中間整理」を4月17日公表した。

政府・日銀は1月26日、CBDCに関する連絡会議の 初会合を財務省内で開き、関係府省庁がCBDCを導入した場合に生じる課題を洗い出し、今春を目途にその時点での議論を整理することで一致していた。

今回の発表は、その中間整理報告となる。

5つの論点で構成

まず中間整理では、経済・社会の急速なデジタル化に伴い、キャッシュレス決済のサービス利用が拡大している背景が挙げられ、諸外国ではCBDCについて明確な発行判断が行われていないが、CBDCの検討が本格化し、調査研究・検討が進められていると現状が伝えられた。

また日銀は、日本が検討するCBDCは「アプリ やカードを⽤いた決済が想定されているデジタル通貨」だとし、「現⾦同様、日常取引に信用リスクなく安全に利用できる決済手段」だとした。

今回発表された中間整理報告では、「制度設計の⼤枠の整理に向けた考え⽅」として、「⽇本銀⾏と仲介機関の役割分担」、「CBDCと他の決済⼿段の役割分担」 、「セキュリティの確保と利⽤者情報の取扱い」、「法令⾯の対応」、「その他」の5つの論点から意見がまとめられている。

⽇銀と仲介機関の役割分担

「⽇本銀⾏と仲介機関の役割分担」では、現金同様に仲介機関が日銀と利用者の間に立ち、CBDCの仲介を行う「二重構造」が適当とされている。また日銀の一元的発行に伴い、CBDCの記録・確認を正確に行 う台帳等の仕組み管理がふさわしいとされた。また日銀の役割として、「⺠間決済サービスの⾼度化を図るといった『触媒』としての役割も求められうる」と述べられている。

また仲介機関の範囲については、「現在決済サービスを提供している銀⾏をはじめとする預貯⾦取扱⾦融機関やその他の事業者が該当する」となっているが、「求められる業務内容を整理していく中で検討」するとのこと。

CBDCと他の決済⼿段の役割分担

「CBDCと他の決済⼿段の役割分担」では、各種の決済手段と共存し、「利⽤者の選択肢の確保や利便性の向上、決済システム全体としての安定性・効率性の確保を図ることが重要」とされている。

Para obter mais informações姿勢を示し、「CBDCは、現⾦と相互に補完するものと考えることが基本」だとした。

なお、オフライン機能は「⼆重使⽤や偽造のリスクもあるため、当初から導⼊する必要性は低い」とし、匿名性については「⾼額・⾼頻度での取引が容易になる可能性も踏まえ、検討」となっている。

セキュリティの確保と利⽤者情報の取扱い

「セキュリティの確保と利⽤者情報の取扱い」では、CBDCは決済手段として常時機能する必要があるため、「万全のサイバーセキュリティ対策・情報セキュリティ対策を講じる必要」があると日銀は指摘。

事前の対応はもちろん、事後の対応にも万全を期す構えを見せた。

プライバシー確保を前提とした上で、仲介機関は関係法令を遵守し適切な情報の取り扱いを行い、日銀は取り扱い情報を最小限にとどめ、政府は「AML/CFTをはじめ公共政策上の⽬的に基づき、必要に応じて情報提供を受けることが基本」とした。

なお本人確認等の理由から利用者範囲は「当面国内居住者」としつつ、非居住者については今後の検討課題となっている。

法令⾯の対応

「法令⾯の対応」では、「将来の技術⾰新に柔軟に対応できる制度設計とし、法制度が特定の技術を前提としないようにしていくことが重要」とされた。

また、「法定通貨法」、「民事法」、「刑事法 」上の整理についてそれぞれ検討内容がまとめられている。

国際間決済、行政上の課題にも触れる

そして「その他」の項目では、コスト負担やクロスボーダー決済、行政上の課題に焦点があてられた。

具体的には、CBDC間の相互運⽤性の確保の観点から、技術⾯の標準化を通じた国際連携推進の重要性の指摘や、各国間の規制・法制度の調和の図り方等、課題への対応を検討するとのこと。

また行政上の課題として、多様な属性を持つ利⽤者に利⽤されることも踏まえ、「誰⼀⼈取り残されない、⼈に優しいデジタル化」への配慮が挙げられている。

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参考:CBDC(中央銀行デジタル通貨)に関する関係府省庁・日本銀行連絡会議 中間整理
imagens: Reuters

Fonte: https://www.neweconomy.jp/posts/384595